ウスギモクセイ (モクセイ科)

モクセイの仲間で最も身近なのはキンモクセイ(図1)であろう。庭や公園でこの花の香から秋を実感する人も多いかもしれない。構内でも各所に植えられている。ギンモクセイ(図2)は構内には見当たらないが公園などではさほど珍しくない。それらに比べるとウスギモクセイ(図3)は見かけることが少ない。
これら3種類は、花が咲いていればその色で容易に見分けられる。キンモクセイは黄色に近い橙色、ギンモクセイは白、ウスギモクセイは淡い黄色である。しかし花以外では、葉の縁や葉の裏の凹凸の具合がわずかに異なるぐらいで識別は困難であり、三者とも同一種としその中で変種または品種という低い階級で区別されている。
いずれも両性花をつける株と雄花をつける株があるが、キンモクセイとギンモクセイは中国原産で日本には雄株だけが渡来したので結実は見られないという。それに対してウスギモクセイは九州南部原産で関東でも果実を見ることができる(図4)。ただし構内には大学3号館の北西に雄株が1本あるだけなので結実は望めない。

図1 ウスギモクセイ
図1 キンモクセイの花。1974/10/07、練馬区石神井町

図2 ウスギモクセイ
図2 ギンモクセイの花。1973/09/20、練馬区石神井町

図3 ウスギモクセイ
図3 ウスギモクセイの花。2010/10/06、武蔵学園

図4 ウスギモクセイ
図4 ウスギモクセイの果実。2007/01/31、昭和記念公園
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