アオギリ(アオイ科)
かつてはアオギリ科とされたが、分子系統解析に基づく最近の分類では科を別にするほどの差はないということで、旧シナノキ科や旧パンヤ科とともに広義のアオイ科に入れられることになった。
公園や街路樹に多いが暖かい地方では野生も見られ、台湾や中国本土に自生する。箪笥などの良材で知られるキリとは全く別の植物で、和名は大きな葉をつける高木であることがキリに似て、幹が青みを帯びることによる(図1,図2)。中国名は梧桐、青桐など。伝説上の霊鳥、鳳凰はこの木にとまるといわれた。
花は大きな花序に雄花と雌花が混じってつき、6-7月に咲く(図3,図4)。若い果実は5個の分果に分かれ(図5,図6)、のちに各分果は内側の線で裂けて舟形となり、その縁にグリーンピースのような種子をあらわす(図7)。
アオギリは、被子植物の雌しべの成り立ちを説明するための好材料として、植物形態学の教科書にも取り上げられる。すなわち、のちに種子となる胚珠を縁や上面につけた葉(心皮)が巻いて両縁が接着し胚珠を内包したのがマメ科やキンポウゲ科などにみられる一心皮雌しべで、それがいくつか(ユリでは3、オクラでは5、キウィフルーツでは多数)合着したのが合心皮雌しべである、と説明される。アオギリの雌しべは合心皮性(図4)だが、分果は一心皮性(図5,図6)である。
構内ではアオギリは大学3号館の西側に、旧制時代から生えていたと思われる木が1本あるが、校舎に近いため横枝を広げることができず少々気の毒に感じられる。大講堂の裏の日陰にもう1本、もっと気の毒な木があったが10年ほど前に伐採され、何年かの間は切り株から芽吹いていたが、今では見られなくなった。
アオギリの材は家具や楽器に用いられるが、耐久性は低く良材とは言い難い。樹皮は強靭な繊維を含むので縄などに利用され、粘液は和紙の糊料とされる。
公園や街路樹に多いが暖かい地方では野生も見られ、台湾や中国本土に自生する。箪笥などの良材で知られるキリとは全く別の植物で、和名は大きな葉をつける高木であることがキリに似て、幹が青みを帯びることによる(図1,図2)。中国名は梧桐、青桐など。伝説上の霊鳥、鳳凰はこの木にとまるといわれた。
花は大きな花序に雄花と雌花が混じってつき、6-7月に咲く(図3,図4)。若い果実は5個の分果に分かれ(図5,図6)、のちに各分果は内側の線で裂けて舟形となり、その縁にグリーンピースのような種子をあらわす(図7)。
アオギリは、被子植物の雌しべの成り立ちを説明するための好材料として、植物形態学の教科書にも取り上げられる。すなわち、のちに種子となる胚珠を縁や上面につけた葉(心皮)が巻いて両縁が接着し胚珠を内包したのがマメ科やキンポウゲ科などにみられる一心皮雌しべで、それがいくつか(ユリでは3、オクラでは5、キウィフルーツでは多数)合着したのが合心皮雌しべである、と説明される。アオギリの雌しべは合心皮性(図4)だが、分果は一心皮性(図5,図6)である。
構内ではアオギリは大学3号館の西側に、旧制時代から生えていたと思われる木が1本あるが、校舎に近いため横枝を広げることができず少々気の毒に感じられる。大講堂の裏の日陰にもう1本、もっと気の毒な木があったが10年ほど前に伐採され、何年かの間は切り株から芽吹いていたが、今では見られなくなった。
アオギリの材は家具や楽器に用いられるが、耐久性は低く良材とは言い難い。樹皮は強靭な繊維を含むので縄などに利用され、粘液は和紙の糊料とされる。







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