ヒマラヤスギ (マツ科)

和名にはスギがついているが、類縁はスギよりもマツに近い。ヒマラヤからアフガニスタンにかけての原産で世界各国で植えられ、日本には明治初年に渡来したという。個人の庭に植えられることは少なく、公園や校庭などに多く見られる。

葉はまさに針葉樹とよぶにふさわしく、長さ3--5cmの針状で先は鋭く尖り、若枝にはまばらにつくが多くは数十本が短枝に集まって束状につく。

幹は直立して幅の広い円錐形の樹形を作り、横枝はほぼ水平に伸びてやがて少し垂れ下がる(図1)。高さ50mにもなるという。日本ではそれほどの巨樹は見慣れないが、周囲の建物や樹木よりも際立って高いことが多いので、雷に打たれて樹形が乱れることがある。

雌雄同株で花期は秋だが若木には花がつかない。雄花(図2)は長さ3--5cmの円柱状で直立し淡黄褐色。その軸は花粉を生じる鱗片を密につけたのち最後に針状の普通葉を1ないし数本出すことがある。球果(マツならば松笠に相当するもの)も直立し、長さ10cmほどの卵形で淡い灰褐色(図3)。

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図1 ヒマラヤスギの樹形。1984/01/22、小石川植物園

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図2 ヒマラヤスギの雄花。2007/11/21、新宿御苑

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図3 ヒマラヤスギの球果。1983/10/03、京都府立大学
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