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イチョウ (イチョウ科)

 旧制武蔵高等学校第1期生卒業記念樹(図1)。が大講堂の南西の角の近くにある。創立から7年を経て第1回の卒業式が行われた1929(昭和4)年3月に卒業生が植えたもの。
 イチョウ科の植物は中生代ジュラ紀には多くの種類が存在したが次々に絶滅して現生のものはこの1種だけである。わずかに生き残っていた中国から日本にも古く渡来し、今では世界各地で公園などに植えられている。
 雄性の生殖細胞が運動性の精子であることが1896年に平瀬作五郎によって発見されたが、これは種子植物における最初の発見であり、シダ植物と種子植物をつなぐ大発見として世界を驚かせた。
 雌雄異株で、1期生の卒業記念樹は雌株なので秋には「ぎんなん」とよばれる種子を落とす。種子のもとになる胚珠は柄の先にふつう2個つき、マッチの頭ぐらいの大きさ(図2)。雄花は多数の雄しべを総状につけたもので(図3)、4月末ごろには花粉を出した後の残骸が雄株の下に散り敷く。
 葉を光に透かすと葉脈が二又に分岐してトーナメント方式の試合日程のような分布を示し(図4)、これもイチョウの原始性を示す特徴の一つである。
 材は均質で狂いが少なく、細工物、彫刻、まないた等に利用される。近年は葉を薬用にするために桑畑のように栽培する所もある。
 幹はしばしば傾いて立つことがあり、その方位は北であるといわれるが、1期生の記念樹も北に傾いている。
 中国名は銀杏、白果、公孫樹など。和名は中国名の一つである鴨脚の中国音に由来するといわれるほか諸説がある。「ぎんなん」は銀杏の読みの一つで、本来のイチョウの意味から転じて今ではその種子を指す。肉質の外層、木質の中層、膜質の内層からなる種皮を除去した珠心が食用となる。 

図1 イチョウ

図1 1期生卒業記念樹。2010/06/04、武蔵学園

図2 イチョウ

図2 胚珠。1972/04/17、文京区本郷

図3 イチョウ

図3 雄花。1972/04/17、文京区本郷

図4 イチョウ

図4 葉脈。1977/04/20、練馬区石神井町
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