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ブナ (ブナ科)

 北海道南西部から鹿児島県にまで分布する落葉高木で、高さ30m径1.5mにもなる。樹皮はなめらかで灰白色だが地衣類が着生してさまざまな模様ができていることが多い(図1)。雌雄同株で花は5月ごろに咲くが目立たない。果実は2個ずつが殻斗(クリのいがに相当する器官)に包まれて育ち(図2)、秋に熟すと殻斗が4片に裂けることにより地上に落ち、殻斗の底に2個の果実の落ち跡が残る(図3)。果実は3本の稜があって(図4)食べられるので、ブナの別名にソバグリがある。ブナの実はクマ、シカ、サル、ネズミなど多くの野生動物を養っているが、何年かに一度だけ大豊作の年とその間に続く不作の年があり、大豊作(図5)の年には動物たちが満腹になるので食い尽くされることを免れると考えられる。この点では17年または13年ごとに大量発生する北米の周期ゼミに似ているが、ブナの場合は不作の年でもある程度の果実はできるし、周期が必ずしも一定ではないようである。
 日本の落葉樹林ではブナが優占種となっていることが多く、そのような森林をブナ林という。北海道では平野部に、関東以西では山地にみられる。青森と秋田の両県にまたがり1993年に世界自然遺産に指定された白神山地には、ほとんど原生林に近い状態のブナ林がある。
 構内にブナの木は1本だけ、高中図書館棟の東側にある。これは1970年の秋に高中生物の百済弘胤教諭が谷川岳の調査の際に拾った実が元になっている。この年は大豊作でネズミが大繁殖し、テントの中まで荒らされたという。持ち帰った実を鉢に播き、10年育てた苗をその年に卒業した55期生の数名と一緒に記念植樹したものである。建設工事にともなって移植されたり日照が不充分などの悪条件に耐えて生き残るブナは、日本を代表する樹種を生徒たちに見せたいとの百済教諭の遺志を受け継いでいるようである。

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図1 幹の表面の模様。2004/06/17、群馬県玉原高原

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図2 殻斗と2個の果実。1993/12/19、北茨城市

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図3 殻斗に残された果実の跡。1993/12/19、北茨城市

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図4 果実。1993/12/19、北茨城市

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図5 多数の殻斗をつけたブナ。1981/07/19、日光市六方沢
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