ヒサカキとハマヒサカキ (サカキ科)

どちらもヒサカキ属の一員で、この属は従来はツバキ科に含まれていたが、DNAに着目した研究の結果、サカキ属やモッコク属などとともにサカキ科に入れられるようになった。
ヒサカキもハマヒサカキも構内の各所に見られ、生垣などに仕立てられたもののほか、単独に生えているものもある。両種が近くに植えられた場所も多く、比較観察には都合がよい。
ヒサカキは東北地方から琉球にかけての主として丘陵に、ハマヒサカキは本州中部から琉球の海岸の岩場に生えることが多く、どちらも高さ5mを超える小高木ともなるが、庭園などでは低木として育てられることが多い。
どちらも光沢のある葉を密につけるが、ヒサカキの葉は先が鈍く尖るのに対して、ハマヒサカキの葉は先が丸くて時にはわずかに凹形となる(図1-4)。また、表側から見ると主な葉脈に沿ってくぼんでいるのはハマヒサカキの特徴である(図2,4)。
花は両種とも径4mm内外と小さく、ヒサカキ(図1)は3-4月、ハマヒサカキ(図2)は10-11月に咲くのが普通だが、他の季節にも花を見ることが珍しくない。雌雄異株であることが多いが、ヒサカキは雌雄同株となることもあり(図1)、ときに両性花も見られる。果実はどちらも径5mmほどの球形で黒色(図3,4)。

図1 ヒサカキ
図1 ヒサカキの雌花(左)と雄花(右)。2007/04/07、練馬区東大泉

図2 ヒサカキ
図2 ハマヒサカキの雄花。2009/12/01、武蔵学園

図3 ヒサカキ
図3 ヒサカキの果実。1994/12/10、新座市

図4 ヒサカキ
図4 ハマヒサカキの果実。2001/01/02、銚子市犬吠
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