オガタマノキ (モクレン科)

和名は、この木の枝を神前に供えて神霊を招くオキタマ(招霊)に由来するという。また、小さくて香りのよい球状の実がなるので小香玉の意味ともいう。
関東以西の温暖な地方の山地に自生し、しばしば神社の境内に植えられるほか庭木ともされる。
これに似たトウオガタマ(別名カラタネオガタマ)が園芸店などで「オガタマノキ」として売られていることがあるが、名前の示すとおり中国原産である。オガタマノキは高さ15mにもなる高木で、早春に白い花をつけ(図1)(図2)、トウオガタマは高さ3-5mの小高木で初夏にバナナの香のする淡黄色または淡紅紫色の花をつける(図3)
オガタマノキは常陸宮殿下の御印としても知られ、構内では正門から大講堂へ向かう道の右側に、殿下ゆかりの四大学運動競技大会50周年記念樹が植えられた(図4)牧野富太郎博士によれば、中国名として「黄心樹」を用いるのは誤りであるという。

図1 オガタ
図1 花をつけたオガタマノキ。2009/03/11、神代植物公園

図2 オガタ
図2 オガタマノキの花。2009/03/11、神代植物公園

図3 オガタ
図3 トウオガタマの花。1977/04/20、練馬区石神井町

図4 オガタ
図4 記念樹の銘板。2018/05/09、武蔵学園
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