イヌシデ (カバノキ科)
東北地方から九州の山野にふつうに見られる落葉高木で、構内では大学3号館の中庭に練馬区の保護樹木とされるものがある。この場所は旧制武蔵高校の校地とされる前には墓地で、ここに植えられていたケヤキ、イヌザクラ、トネリコは1994年にねりまの名木百選(実際には107)に数えられたが、イヌザクラとトネリコはその後に枯死した。ここにあるイヌシデは、高さも太さもこの種としては最大級に近いが、ねりまの名木に選ばれなかった理由はよくわからない。ここに近年まで生きていたイロハモミジは、あまり大きくはなかったが、幹の傾いた独特の樹形が創立から10年も経たないうちに撮られた写真にも写っているので、この木も校地となる前の墓地に植えられていたと思われる。
イヌシデや同属のアカシデ(図1)、クマシデ(図2)などの「シデ」は、果穂の垂れる姿が玉串や注連縄につける四手に似ていることによるといわれる。和名の前半の部分については、アカシデは若葉が赤く、クマシデは木の様子が逞しい、等の理由でそれぞれ理解できるが、イヌシデは他種に比べて特に価値が劣るとも思えず、類似種のアカシデに比べて新芽や紅葉の美しさが劣るからともいわれるが、名の由来は不明である。牧野富太郎博士は垂れ下がる雄花序に基づくかと述べているが、これは類似種との区別点にならないので賛成しにくい。若葉に白い毛が多いのでシロシデともいう。練馬区などでは昔はソロとよばれたほか、身近な木なので各地に地方名が多い。
花期は4--5月で、雄花序(図3)は前年枝から垂れ下がり、雌花序は新しい枝の先端につくが、どちらも地味である。雌花序はやがて長さ10cm内外になって下垂し、苞葉の隙間からのぞくと2個ずつ並んだ果実が見える(図4)。
イヌシデや同属のアカシデ(図1)、クマシデ(図2)などの「シデ」は、果穂の垂れる姿が玉串や注連縄につける四手に似ていることによるといわれる。和名の前半の部分については、アカシデは若葉が赤く、クマシデは木の様子が逞しい、等の理由でそれぞれ理解できるが、イヌシデは他種に比べて特に価値が劣るとも思えず、類似種のアカシデに比べて新芽や紅葉の美しさが劣るからともいわれるが、名の由来は不明である。牧野富太郎博士は垂れ下がる雄花序に基づくかと述べているが、これは類似種との区別点にならないので賛成しにくい。若葉に白い毛が多いのでシロシデともいう。練馬区などでは昔はソロとよばれたほか、身近な木なので各地に地方名が多い。
花期は4--5月で、雄花序(図3)は前年枝から垂れ下がり、雌花序は新しい枝の先端につくが、どちらも地味である。雌花序はやがて長さ10cm内外になって下垂し、苞葉の隙間からのぞくと2個ずつ並んだ果実が見える(図4)。




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