所長挨拶

池田 康夫(いけだ やすお)

池田学園長
武蔵学園長 医学博士/元慶應義塾大学医学部長
私の専門は血液学で長年大学病院において診療・研究・教育に従事してきました。私が医師になりたての頃はそれぞれの医師が経験した診療や研究のデータを互いに交換し、知識を高めあっていました。今ではそれらの情報は簡単に電子化され、ビッグデータとして整理されています。それらの巨大なデータから新たな知見が生まれ、医学の進歩に大きく貢献しています。
ビッグデータの構築、その応用を扱う新たな学問体系として「データサイエンス」は自然科学領域を中心として近年その重要性が叫ばれてきたわけですが、研究の進展はそれらの学問領域にとどまらず、現在では経済・人文・社会科学系領域にも大きな影響を及ぼしつつあります。
有馬朗人前学園長は武蔵大学、武蔵高等学校中学校からなる武蔵学園にいち早くデータサイエンス研究所を設立されました。武蔵学園には「東西文化融合の我が民族理想を遂行し得べき人物を育てる」という建学理念があります。欧米文化と異なる部分が多い日本で、文理の壁を越え、科目の壁を越え、次世代のグローバルリーダーを育てるために新たな視点を持ったデータサイエンスを進めることは非常に重要だと考えています。
2022年に創立100周年を迎えた武蔵学園ですが、独自の視点を持つデータサイエンス研究所が、これからの100年に向けて新たな「知」を生み出すとともに次世代を担う人材の育成に貢献できるものと信じています。
所長 池田 康夫