主な事業内容

前世紀終わり頃から急速に普及したコンピューターとネットワークにより、わたしたちの生活、企業や人間の活動、そして社会の動きまでもが大きく変わってきました。かつて情報化社会と形容された多種の情報とネットワークにより形成される社会は、今ではあえて情報化という形容をするまでもないほど当たり前のことになりました。

人々の活動の多くが電子的基盤を利用して行われるようになると、ここには同時にその活動のログが残ることになりました。消費行動はもとより、電車や車で移動しても、さらには徒歩で移動しても電子情報は人々の活動の一端として匿名情報として記録されています。このデータが2011年の東日本大震災の人々の避難行動の分析に使われもしました。

また近年欧米において、大きな社会変動、政治的変革の分析に、社会に流れたメディア情報やそれに反応した人々のコミュニケーションの記録を使い、情報と社会変動のメカニズムを明らかにしようという研究も注目されるようになってきました。このほかにも、人々の意識や行動も含む社会のあらゆる活動を大量に集めた、いわゆるビッグデータと呼ばれる情報のかたまりも注目されるようになってきました。

人類が文明を持ち始めて以来、常に探究してきたのは、単純化して言えば、自分たちはどのような環境にいるのか、どのような存在なのか、そしてこれから先どこへ行こうとしているのか、ということではないかと思われます。この根源的な問いに対して、今わたしたちは、その分析と理解のために使える膨大な電子情報を持ち始めています。

データは、ただあるだけでは意味がありません。それを科学的に多様な視点で分析していくことで、内在する法則や一般化できることを引き出し、人間の知としていく必要があります。それには様々なアプローチがあります。

武蔵学園データサイエンス研究所は、わたしたちが進める教育において、たとえば社会科学を視点の軸に据えたデータサイエンス教育や、教育内容に実社会でのデータサイエンスの方法論を加えていくなど、社会と連携しながら進めてまいります。

社会へ向けた事業

  • 他大学、他研究機関、企業との連携
  • 社会への啓発を目的とした公開講座等の開催
  • データサイエンス活用に関する政策提言
  • 文系学生の教育のためのデータサイエンス研究者ネットワークの構築

武蔵学園における事業

  • データサイエンス関連の研究活動
  • データサイエンス関連研究・教育の支援
  • 武蔵大学ファカルティディベロップメント活動への協力
  • データサイエンスに関わる教員の連携・交流の促進