ご挨拶

根津 公一

根津公一
学校法人根津育英会武蔵学園 理事長
武蔵学園の創立者、初代根津嘉一郎は、「自ら考え行動し、誰にも頼らず、責任は自分で取る」という独立心の強い気性の激しい人でした。また、「社会から得た利益は社会に還元せねばならない」という公共心を持ち、世の為人の為の寄付的行為に熱心な人でもありました。1909(明治44)年、嘉一郎は当時新進気鋭の実業人として、渋沢栄一の率いる渡米実業団50人の中に参加しました。この3ヶ月間に渡る大陸往復の視察旅行で、米国各地の名門の大学、高校、中学を訪問し、教育の大切さを実感したものと思えます。教育により、将来の日本を背負う優秀な若者を育てることが最大の社会貢献と考えたに違いありません。それから約10年を経た、1922(大正11)年武蔵高等学校が創立時に掲げた三理想には、そのような嘉一郎の国の未来への思いが込められています。

武蔵学園百周年に向けて、記念事業を進めるにあたり、三理想の現代的意義をもう一度問い直し、創立者の未来への思いを受け継いで参りたいと存じます。

池田康夫

池田学園長
学校法人根津育英会武蔵学園長
武蔵学園は、大学、高等学校、中学校が一体となって成立しています。そのすべてが1922(大正11)年に創立された、七年制の旧制武蔵高等学校を母体としています。来る2022(平成34)年は、この旧制武蔵高等学校創立百周年に当りますので、この度武蔵学園百周年記念事業を発足させることになりました。皆様方の御力添をお願い申し上げます。

武蔵学園は創立以来の教員の三理想を脈々と受け継ぎ、教育に全力を尽くしています。特に自ら調べ自ら考える力、創造力をしっかり身につけさせる努力をしています。その上で国際化の時代世界に雄飛できる力を養成し、日本の優れた文化、東洋の叡智そして西洋の科学的合理精神を体現した人物になるように教育をしております。

またこの美しい武蔵野の面影を残すキャンパスの自然環境と、講堂や根津化学研究所などの歴史的建造物の保全に務め、更に教室や研究室などの新設と整備に全力を尽くす所存です。
武蔵学園が百年記念を契機に教育界の雄として、更に飛躍できるように、皆様の御力添をもう一度お願い申し上げます。

武蔵学園創立百周年に向けて

高橋徳行

高橋学長01
武蔵大学学長
学園創立以来、社会が大きく変貌したにもかかわらず、「建学の三理想」が現代の社会にまさしく適合していることに驚かざるをえません。今、大学をとりまく環境は厳しさを増し、大学のあり方が大きく問われています。

武蔵大学は、「自ら調べ自ら考える力がある人物」を育成する少人数教育の新たな展開を図るなどこの課題に取り組んでいますが、今後も「三理想」の精神を踏まえた改革を進めることで、途が切り拓かれると確信しています。

また学園創立百周年は、高等学校・中学校と大学が旧制武蔵高等学校以来の伝統と「三理想」を共有することの意味を確かめ、互いの協力をさらに進める良い機会です。百周年記念事業のなかで両者の結びつきがさらに着実なものとなることは、武蔵大学の今後の発展のためにもすばらしいことと言えます。

百周年記念事業によって学園のキャンパスが整備され、そのもとで「三理想」をさらに推し進める武蔵学園の新たな百年が始まること強く期待しています。そのために武蔵大学は全力を尽くしてまいります。皆様方のご協力を宜しくお願いいたします。

杉山剛士

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武蔵高等学校中学校 校長
2019年4月より、高等学校中学校の校長を拝命いたしました杉山です。私は武蔵50期の卒業です。私は母校での教師経験もありませんでした。ほぼ半世紀ぶりに戻ってきた武蔵は、濯川の清流も武蔵野の木々も変わっていませんでしたが、新校舎が建築され、グローバル化を踏まえた将来ビジョンが大きく打ち出されていました。まさに母校は「新生武蔵」として次の百年に踏み出そうとしています。

先行き不透明なグローバル社会にあって、「真に信頼され尊敬されるリーダー」の育成が急務となっています。それは、過去に学びつつも柔軟な発想からイノベーションを起こせるような「創造力」とともに、他者に共感し多様性を包み込めるような「総合力」を持った人間だと思います。そして、そうした力を育てる教育の在り方を考えたときに、武蔵で百年間受け継がれてきた三理想の先進性、現代的意義に気付かされます。「ようやく時代が武蔵に追い付いてきた」といっても過言ではないと思います。

武蔵には、リベラルアーツや自調自考の精神など、これまで積み上げてきた様々な強みがあります。私は校長就任にあたり、そうした武蔵の強みを生かしつつ、必要な進化をし続け、武蔵のプレゼンスをさらに高めていきたいと思います。どうぞ「新生武蔵」に向け、卒業生の皆様方の熱いご支援を心よりお願いいたします。